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イヌとネコの会話です。「イヌ君いいなぁ。暖かいお部屋にいて、リボンで飾ったり、マニキュアをしてもらったりして」、「いやぁ、以前ボクたちは番犬で家の外にいたんだよ。ネコ君た
ちがいつも炬燵のそばで居眠りしていた頃ですよ」。
そうです。世の中変わりに変わって、イヌとネコと人間との付き合い方も変わってきました。スポーツの世界でのさま変わりを、チーム型球技のフットボールの歴史でちょっと覗いてみましょう。
一四世紀のはじめ、イギリス、フランスの国王たちはしきりにフットボール禁止令を出しました。大人数の無軌道なルールが危険だ、武技の鍛練がおろそかになる、聖なる安息日に娯楽とは何事だ、というのです。何回も何回も禁止令が発布されたことが記録に残されています。それはフットボールの根強い人気の証明です。
とくに産業革命を契機として物心両面において生活に余裕のできてきたイギリスでは、フランス、イタリアのボールゲームを参考にしていろいろなスタイルのフットボールが創り出されました。そこで著名な
パブリックスクール同士の対抗戦や、いろいろな学校からのOBたちが大学で一緒にプレーできるように、共通のルール設定が必要になり、サッカー(アソシエーション式フット
ボール)と、ラグビー(ラグビー式フットボール)が誕生しました。協会設立はそれぞれ、1863年、1871年でした。
17世紀前半に北米に移住したピューリタンたちも大陸にフットボールをもち込み、これにアメリカンフットボールという名をつけました。最初の大学リーグが1873年に行われています。
「ネコ君、君はアメフトとラグビーとではどちらが好きかい」、「ぼくはメンバーチェンジや作戦タイムがあって、レフェリーもたくさんでよく見てくれるアメフトが性にあっているよ。第一、成功不成功がその場ですぐはっきりわかる所なんか、ネコ型スポ−ツだと思うよ」。
ライオン、トラ、ヒョウなどの猫科動物は、獲物に忍び寄り待ち伏せて一気に獲物にとびかかるという作戦をとります。前足で抑え込み、獲物の頚部の脊椎骨の間に長くて鋭いキバを差し込んで脊髄を切断する必殺技で勝負をつけます。鋭い爪は、メンバーチェンジのように出したり引っ込めたりできます。そしてその狩りでは仲間うちに役割分担がきまっているようですから、固定ポジション方式といえます。
「イヌ君たちはラグビー型かな」、「ネコ型とかイヌ型とかはっきりと分けるのは好きじゃないけど、まぁ、ラグビー型が気にいってるよ」。
オオカミ、キツネ、タヌキなど犬科動物の捕食戦略は追いかけ型です。走りが得意で、集団で獲物を追いかけて、獲物を口でくわえるとそのまま咬みくだくか、激しく振り回して頚椎を折ってしまいます。
「イヌ君たちは、総合力で臨機応変の戦いをするから、やっぱりラグビー型だね。オフサイドやスローフォワードといった反則で待ち伏せを禁止しているしね」。
「ネコ君たちの組み立て集中型戦略のロングパスやショットガンは魅力的だよ。でも作戦タイムのお休みがあるのが、僕達イヌ型にはかなわないんだ」。
イヌとネコ、それぞれに典型的な行動性、社会習性をもっています。イヌが好きな人もネコが好きな人もいます。スポーツの好みも人それぞれです。でもみんな仲良く競い合うようにルールは決められているのです。
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